ChatGPTやGeminiに「〇〇市の建設会社を20社、電話番号つきで一覧にして」と頼むと、数十秒で表が返ってきます。ただ、その表がどこまで正しいかは、1社ずつ確かめないと分かりません。
この記事では、実際にAIに営業リストを作らせ、返ってきた20社を国税庁の法人番号公表サイトと各社の公式サイトで1社ずつ確かめた結果を示します。そのうえで、AIを使って営業リストを作る4つのやり方と、上位の記事で紹介されているAI搭載のツール・サービスを、公式サイトで確かめた内容で比べます。確かめた日は2026年11月2日です。書いているのは、営業リスト収集ツールIZANAMIを提供しているミルブレインズ合同会社です。
この記事の結論
- AI(GPT、Web検索なし)に札幌市東区の建設会社20社を挙げさせると、会社そのものは19社が実在しました。ただし東区にあったのは11社、住所・電話番号・URLが全部正しかったのは3社でした
- AIに会社を挙げさせる方法は、営業先の候補を考えるときには使えますが、そのまま架電やメールに使えるリストにはなりません
- 営業リストそのものは、企業データベースや収集ツールで集め、AIは「絞り込み・整理・優先順位づけ」に使うと、間違いが入りにくくなります
AIで営業リストを作る4つのやり方

「AIで営業リストを作る」と言っても、AIに何をさせるかによって4つに分かれます。上位の記事10本を読むと、どの記事もこの4つのどれか、または組み合わせを紹介していました。
| やり方 | AIがすること | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| ① 汎用AIに会社を挙げさせる | ChatGPT・Gemini・Claudeなどに、条件を伝えて会社名や連絡先を出させる | 営業先の業種・地域の候補を考える、ターゲットの条件を言葉にする |
| ② AIが入った企業データベースを使う | 企業データベースの中から、文章で書いた条件に合う会社を探す、似た会社を挙げる | 登録されている会社の中から、条件に合う会社を早く探す |
| ③ AIがWebサイトを読んで集めるツールを使う | 会社のホームページや掲載サイトを読み、社名・住所・電話番号などを表にする | 地域・業種を決めて、件数をまとめて集める |
| ④ 集めたリストをAIで整える | 表記ゆれの統一、重複の削除、業種の振り分け、優先順位づけ | 買ったリストや複数のサイトから集めたリストを、使える形にする |
このうち①は、AIが覚えている知識やWeb検索の結果から答えを作るので、会社の実在や連絡先が正しいとは限りません。どの程度ずれるのかを、次の章で実際に確かめました。
AIに営業リストを作らせて、20社を1社ずつ確かめた

GPT(gpt-5.6-sol)に、Web検索を使わずに次のように頼みました。
営業リストを作りたいです。札幌市東区にある建設会社(工務店・建設業者)を20社、表にしてください。列は「会社名」「住所」「電話番号」「ホームページURL」です。分からない欄は空欄にしてください。
返ってきた20社を、国税庁の法人番号公表サイトで社名を検索して実在と登記上の所在地を確かめ、電話番号とURLは各社の公式サイトと照らし合わせました。
結果:全部の項目が正しかったのは20社中3社
| 確かめた項目 | 20社のうち | 内訳 |
|---|---|---|
| 会社が実在した | 19社 | 1社は同じ名前の株式会社が北海道に無かった(有限会社なら東区にあった)。5社は「株式会社」が前か後ろかが逆だった |
| 札幌市東区にあった | 11社 | 残りの8社は中央区・北区・西区・白石区・手稲区・豊平区など、東区以外の会社だった |
| 住所が番地まで正しかった | 3社 | 7社は「札幌市東区」だけなど番地が無く、10社は住所が違った |
| 電話番号が正しかった | 3社 | 電話番号が書かれていたのは5社。1社は番号が違い、1社は公式サイトが見つからず確かめられなかった。15社は空欄 |
| URLが公式サイトだった | 5社 | URLが書かれていたのは6社。1社のURLは存在しないドメインだった。14社は空欄 |
| 東区・住所・電話・URLが全部正しかった | 3社 |
会社名だけを見ると、20社中19社が実在したので、よくできているように見えます。ただ、営業リストとして使うときに必要な「その地域にあるか」「電話がつながるか」まで見ると、使えたのは3社でした。8社は東区の会社ではなかったので、東区に絞った営業では対象外になります。
間違い方にも特徴がありました。住所は「東区北7条東4丁目」のように、それらしい番地が書かれていても実際は中央区にある、という例がありました。存在しないドメインのURLも1件ありました。空欄の多さ(電話15社、URL14社)も含めると、AIの回答をそのまま使うと、確かめる手間がかかります。
AIの提供会社も、回答に誤りが含まれることがあると書いている
これはこの1回だけの話ではありません。OpenAI はヘルプページで、ChatGPT が不正確な回答を出すことがあり、大事な情報は信頼できる情報源で確かめるよう書いています。Google もGemini のヘルプで、不正確な情報を事実のように示すことがあると説明しています。Anthropic もClaude のヘルプに同じ注意を書いています。
Web検索を使えるAIなら、検索結果から答えを作るので、実在しない会社は減ると考えられます。それでも、出てくる件数は数十社までで、地域の会社を全部集めることには向きません。今回の実験は、Web検索なしの1回の結果です。
汎用AIを営業リスト作りに使うときの頼み方
汎用AIは、会社の一覧を作らせるより、リストを作る前と後の作業で使うほうが間違いが入りにくくなります。
リストを作る前:営業先の条件を決める
自社の商品の説明を渡して、どんな業種・規模の会社が買いそうかを挙げてもらいます。出てきた業種と地域を、企業データベースや収集ツールの検索条件にします。
次の商品を売りたいです。買ってくれそうな会社の業種を、理由と一緒に10個挙げてください。
業種は、タウンページや地図サイトで検索するときに使う言葉で書いてください。
商品:(自社の商品の説明を貼る)
リストを作った後:表記をそろえる・重複を消す
複数のサイトから集めたリストや、買ったリストは、資本金や従業員数の書き方がばらばらなことがあります。CSVをAIに読み込ませて、次のように頼みます。
このCSVの企業リストを次のように整えて、CSVで出力してください。
1. 資本金は「円」単位の数字だけにする(例:「100,000千円」→100000000、「1億円」→100000000)
2. 従業員数は数字だけにする(例:「30名」→30)
3. 全角の数字を半角にする
4. 会社名と電話番号が同じ行は1行にまとめる
変えた行の数を、項目ごとに最後に書いてください。
AIに整えさせたあとは、件数が減りすぎていないか、数字の桁がずれていないかを、元のCSVと何行か見比べてください。会社の名前や電話番号のような元の情報を、AIに「補って」書かせるのは避けます。補った部分に、上の実験と同じ間違いが入るためです。
使う前に決めておくこと
- 会社の規則で、社外のAIにCSVを読み込ませてよいかを確かめます。個人の名前やメールアドレスが入ったリストを読み込ませるときは、特に注意します。
- リストの出どころの利用規約を確かめます。メールで営業するときは特定電子メール法の決まりも守ります(消費者庁 特定電子メール法)。
AIを使って営業リストを作れるツール・サービスの比較

「営業リスト AI」「企業リスト AI」などで検索したときに上位に出る記事で紹介されているツール・サービスを、各社の公式サイトで確かめました。AIの説明は、公式サイトに書かれている内容です。料金は公式の表記のままで、税込・税別の書き方は会社によって違います。
Webサイトから集める収集ツール
| ツール(運営会社) | AIについて公式に書かれていること | 料金(公式の表記) | 無料で試せるか |
|---|---|---|---|
| IZANAMI(ミルブレインズ合同会社) | AIの機能はうたっていない。対応サイトに載っている会社の情報を、自動で集めてCSVにする | 月額7,800円・初期費用4,400円(12か月契約)。収集件数は無制限 | 2日間の無料版あり |
| EC研究所 法人リスト自動検索システム(株式会社EC研究所) | AIが会社概要ページを読み、30項目以上の法人リストを作る | 1件20円、無制限は月5万円〜。初期費用5万円〜(無料のキャンペーンの記載あり) | 最大1,000件のお試しあり |
| LisColle(株式会社ナレッジコンサルティング) | 企業情報を自動で見分けるAIで、会社のホームページから直接集める | 無料版0円(1日100件・30日1,000件)、ライト月額2,800円、スタンダード月額9,800円(どちらも初期費用30,000円、税別) | 無料版あり |
| リスタ(エコノス株式会社) | AIについての記載なし。Web上のサイトを検索して集める | 月額0円〜40,000円の5段階(税別)。月の検索件数500件〜無制限 | 2週間・500件まで無料 |
AIが入った企業データベース
| サービス(運営会社) | AIについて公式に書かれていること | 料金(公式の表記) | 無料で試せるか |
|---|---|---|---|
| SalesNow(株式会社SalesNow) | 優先度を判定するAI、AIエージェント、AIワークフロー | Lite はリスト1件50円。本体は見積もり | 公式トップでは確認できず |
| Musubu(Baseconnect株式会社) | 法人データベースとAIエージェントで、アプローチする会社を見つけ、会社ごとの文面をAIが作る | 6か月プラン月額200,000円、12か月プラン月額160,000円(税別)など | 30日間の無料トライアルあり |
| FutureSearch(株式会社FUTUREWOODS) | 営業リスト作成からフォーム営業まで。インテントデータ・企業ニュースを使う | ライト月額16,500円〜、ベーシック月額49,500円。初期費用0円・最低利用期間なし | 無料トライアルあり |
| ListGene(営業屋) | AIが分析した100万社超の企業データベースから営業リストを作る。AI検索は1日50回 | 検索・閲覧は無料、CSVダウンロードは1件3円(月額なし) | 登録なしで閲覧無料 |
| Sansan「AI企業リストメーカー」(Sansan株式会社) | AIエージェントが、文章で書いた指示から対象企業のリストを作る(2026年6月22日の発表) | 発表に料金の記載なし | 確認できず |
| スピーダ(株式会社ユーザベース) | 経済情報に特化したAIエージェントで調査・分析をする。営業リスト専用ではない | 公式トップに料金の記載なし | 一部の製品で無料トライアルの記載あり |
| uSonar(ユーソナー株式会社) | 法人企業データベース「LBC」が中心。AIで対象企業を見つける機能はセミナー告知で紹介 | 公式トップに料金の記載なし | 確認できず |
上位の記事で紹介されているが、公式サイトにAIの記載がなかったもの
| サービス(運営会社) | 内容 | 料金(公式の表記) | 無料で試せるか |
|---|---|---|---|
| FUMA(株式会社Plainworks) | 160万社の企業データと4万種類の分類から検索する | 完全無料。1件5円・500円からのプランの記載あり | 無料 |
| HRogリスト(株式会社フロッグ) | 求人情報をもとにした人材業界向けの企業リスト | 1媒体あたり月額4万円〜、初期費用10万円(6か月以上の契約で無料) | 無料トライアルの案内あり |
| Hirameki 7 | 営業リストの検索・作成、メール配信など | 初期費用0円・月額1,200円(税別)〜 | 14日間の無料お試しあり |
| Baseconnect(Baseconnect株式会社) | 企業データベース。公式トップにAI・料金の記載なし | 確認できず | 無料会員登録の表示あり |
リスト作りを手伝うAIサービス・リストを使う側のサービス
| サービス(運営会社) | 内容 | 料金(公式の表記) |
|---|---|---|
| 月5万円のAI社員(株式会社MEDISITE) | 営業リストの収集・絞り込み・重複整理・優先順位づけをAIで行う仕組みを作る受託サービス | 導入後は月5万円。30分の無料相談あり |
| ナレフルチャット | 法人向けの生成AIチャット。プロンプトを作る機能がある | 企業単位の定額制で月額40,000円〜 |
| LeadFormer(株式会社エンカレッジ) | 作ったリストを使って、AIで問い合わせフォームに入力して送るフォーム営業のサービス | AIロボット入力1件5円から |
BIZMAPS(公式サイトが確かめた日に開けなかった)、GeAIne、企業情報DB by GMO、LeadPool は、上位の記事に名前が出ていましたが、公式サイトでAIの機能と料金を確かめられなかったため、表に入れていません。
目的別の選び方
| やりたいこと | 合うやり方 |
|---|---|
| どんな業種に営業すればよいか考えたい | ① 汎用AIに条件を考えさせる |
| 条件に合う会社を、登録済みのデータからすぐ探したい | ② AIが入った企業データベース |
| 地域・業種を決めて、数千〜数万件をまとめて集めたい | ③ Webサイトから集める収集ツール |
| 買ったリストや複数のサイトのリストを、使える形にしたい | ④ 汎用AIで表記をそろえる・重複を消す |
IZANAMIは③の収集ツールです。380以上のサイトから、会社名・住所・電話番号・ホームページURLなどを集めてCSVにします。資本金や従業員数、電話番号は数字だけの形で出るので、④の表記をそろえる作業はほとんど要りません。
一方で、IZANAMIはWindowsのパソコンを起動している間に集めるツールなので、件数が多いほど時間がかかります。今日中に数万件が必要な用途には、企業データベースからダウンロードするほうが早く済みます。毎月続けて集めるなら、差分モードで前回から増えた会社だけを足せます。
よくある質問
ChatGPTで営業リストを作るのは無料でできますか?
無料版でも会社を挙げさせることはできます。ただし、上の実験のように、地域や連絡先が違う会社が混ざります。使う前に、法人番号公表サイトや各社の公式サイトで1社ずつ確かめる手間を見込んでください。
AIが挙げた会社に、そのまま電話やメールをしてもよいですか?
番号やアドレスが正しいかを確かめてからにしてください。今回の実験では、電話番号が書かれていた5社のうち、正しかったのは3社でした。違う番号にかけると、営業先ではない人に迷惑がかかります。
Web検索ができるAIなら、正しいリストが作れますか?
検索結果をもとに答えるので、実在しない会社は減ると考えられます。それでも、出せる件数は数十社までで、地域の会社を網羅することには向きません。件数が要るときは、企業データベースや収集ツールを使ってください。
AIでリストを整えるとき、個人情報で気をつけることはありますか?
担当者の名前や個人のメールアドレスが入ったリストを社外のAIに読み込ませるときは、会社の規則と、そのAIの利用規約を確かめてください。個人情報の扱いは個人情報保護委員会の案内を参考にしてください。
IZANAMIは無料で試せますか?
2日間、収集件数の上限なしで試せる無料体験があります。自社の業種・地域で何件集まり、どの項目が取れるかを確かめられます。料金は料金プランにあります。
まとめ
- AIで営業リストを作るやり方は、汎用AIに会社を挙げさせる、AIが入った企業データベースを使う、AIがWebサイトを読んで集めるツールを使う、集めたリストをAIで整える、の4つです。
- GPTに札幌市東区の建設会社20社を挙げさせたところ、19社は実在しましたが、東区にあったのは11社、住所・電話・URLが全部正しかったのは3社でした。
- 汎用AIは、営業先の条件を考える、集めたリストの表記をそろえる、といった作業に使い、会社の一覧そのものは企業データベースや収集ツールで集めると、間違いが入りにくくなります。
IZANAMIは月額7,800円で、収集件数は無制限です。まずは2日間の無料体験で、自社の業種・地域で集めてみてください。料金プランを見る
調べ方
AIの実験は、2026年11月2日に GPT(gpt-5.6-sol)へ、Web検索を使わない条件で1回だけ頼んだ結果です。同じ頼み方でも、日やAIの種類によって結果は変わります。会社の実在と登記上の所在地は国税庁の法人番号公表サイトで、住所・電話番号・URLは各社の公式サイトで確かめました。記事では会社名を出していません。
ツール・サービスの内容と料金は、2026年11月2日(一部は10月31日)に各社の公式サイトで確かめた内容です。比較サイトやまとめ記事の数字は使っていません。料金や条件は変わることがあるので、申し込む前に各社の公式サイトで確かめてください。
