派遣と紹介の名簿を机の上で見比べているイラスト

人材サービス会社に営業するとき、派遣会社と人材紹介会社を同じ名簿で一緒に扱っていませんか。どちらも厚生労働省の許可・届出を受けた会社ですが、名簿に載る項目も、数字の読み方も違います。鳥取県の派遣67事業所と紹介114事業所、合計181事業所を全件数えて、営業先としての違いを比べました。

結論を3行で
・派遣は電話番号が67/67、マージン率を公表しているのは34/67。中央値は27.1%で、数字で絞り込める
・紹介は有料(許可番号の「ユ」)が72件で、そのうち就職者数が1人以上なのは29件。0が24件、数字なしが19件
・同じ会社の別支店に同じ就職者数が並ぶことがある。支店ごとの数字を足し算すると二重に数える

派遣会社は「マージン率・派遣料金」で、人材紹介会社は「許可の種類と就職者数」で絞るのが基本です。鳥取県の実測では、派遣はマージン率の公表が34/67、有料紹介は就職者数が1人以上の事業所が29/72でした。どちらもメール・FAX・代表者名・ホームページは名簿にないため、補完が前提です。

派遣会社と人材紹介会社は、名簿の中身がこれだけ違う

派遣と紹介の名簿を机の上で見比べているイラスト

厚生労働省の「人材サービス総合サイト」は、労働者派遣事業と職業紹介事業を別々の検索画面で公開しています。1ページ20件で、都道府県を選んで検索します。名簿の作り方は派遣会社の営業リストの作り方と人材紹介会社の営業リストの作り方で書いたので、この記事では「どちらに営業するか」を決めるための違いだけを並べます。

項目派遣(労働者派遣事業)紹介(職業紹介事業)
全国の事業所数(2026年9月16日の検索表示)45,10538,511
鳥取県の事業所数(2026年10月12日)67114
規模・実績が分かる項目派遣料金の平均額・賃金の平均額・マージン率(公表した事業所のみ)就職者数(3種)・離職者数
事業の種類の見分け方許可番号の頭文字(派/地)許可番号の種別(ユ/ム/特/地)
メール・FAX・代表者名・ホームページなしなし

鳥取県の全181事業所を数えた

地域の事業所を地図の上で確認しているイラスト

2026年10月12日に、人材サービス総合サイトで鳥取県を選んで検索し、一覧の全ページを読みました。サイトの表示は「令和8年10月1日現在」です。派遣は4ページで67件、紹介は6ページで114件。詳細ページは開かず、一覧に出る項目だけを数えています。一覧に会社名・所在地・電話番号・許可番号・許可年月日がそろうので、営業リストの用途にはこれで足ります。

派遣67事業所:マージン率は半数が公表、中央値27.1%

項目載っていた数
電話番号67/67
マージン率34/67
派遣料金の平均額・賃金の平均額どちらも33/67
労使協定の締結(あり/なし)25/6(計31)
許可番号の頭文字が「地」(特定地域づくり事業)3
許可・届出が2020年以降9
会社名の重複を除いた会社数64社

マージン率を公表していた34件を区切ると、20%未満が12件(マイナスの事業所が1件)、20〜30%未満が10件、30〜40%未満が6件、40%以上が6件でした。中央値は27.1%です。マージン率は「派遣料金から派遣社員の賃金を引いた割合」を各社が公表している数字で、営業の入り口では「自社の取り分を公表しているか」「高いか低いか」で会社の姿勢を見分ける材料になります。ただし、公表していない33件は空欄のままです。

67件は64社の事業所です。ワークスタッフが3行、テンプスタッフフォーラムが2行というように、同じ会社が支店・営業所ごとに複数の行で出る例があり、大手は鳥取支店・鳥取営業課などの名前で並んでいました。

紹介114事業所:有料は72件。就職者数が1人以上なのは29件

職業紹介の許可番号には、真ん中に種別の文字が入ります。鳥取県114件の内訳はユ(有料職業紹介)72、ム(無料職業紹介)15、特7、地20でした。有料の人材紹介会社に営業するなら、72件が対象です。電話番号は114/114で載っていました。

有料紹介72件の就職者数(4ヶ月以上の有期・無期)件数
1人以上29(うち100人以上が16)
024
数字の記載なし(「-」)19

有料の人材紹介会社でも、就職者数が1人以上なのは72件のうち29件で、4割です。0と未記載を合わせると43件、約6割でした。名簿に載っていることと、紹介の実績があることは別です。営業の優先順位をつけるなら、就職者数が入っている行を先に当たるのが現実的です。

同じ会社の別支店に、同じ就職者数が並ぶ

有料紹介の中で、1人以上の就職者数が入っている会社が複数の支店を出していると、支店ごとに同じ数字が並ぶ例がありました。パソナは鳥取と米子のどちらも8,687、ワークスタッフは2行とも191、テンプスタッフフォーラムは2行とも273です。会社全体の数字が、支店の行ごとに繰り返し表示されていると見られます。支店の数字を足し合わせて「鳥取県の就職者数」を出すと、二重に数えます。会社名で重複を除いてから集計してください。

他県と比べると、鳥取県だけで判断しないほうがいい

鳥取県の数字だけだと、少ない県では派遣と紹介のどちらが厚いのかが分かりにくいので、同じ中国地方の島根県も数えました。集計日は鳥取県と同じ2026年10月12日です。人材サービス総合サイトの一覧表示の基準日は、派遣・紹介とも「令和8年10月1日現在」でした。島根県は派遣7ページ、紹介6ページを最後まで開き、鳥取県と同じく詳細ページは開かず、一覧に出ている項目だけを数えています。

県派遣紹介電話番号会社名の重複を除いた数
鳥取県67件114件派遣67/67、紹介114/114派遣64社、紹介86社
島根県124件112件派遣124/124、紹介112/112派遣118社、紹介86社

鳥取県では紹介114件に対して派遣67件で、紹介のほうが多く見えました。ところが島根県では、派遣124件、紹介112件で、派遣のほうが少し多くなります。隣県でもこのくらい入れ替わるので、「地方県は紹介が多い」「派遣は少ない」といった見方は危険です。営業リストを作るなら、狙う県を決めてから県別に数えるほうが確実です。

島根県の派遣124事業所:マージン率の公表は44件、中央値24.9%

項目島根県で載っていた数鳥取県との見え方の違い
電話番号124/124鳥取県と同じく全件に載っている
マージン率44/124鳥取県の34/67より、公表率は低い
マージン率の中央値24.9%鳥取県の27.1%より少し低い
派遣料金の平均額・賃金の平均額どちらも38/124マージン率だけ載っていて料金・賃金が空欄の行もある
労使協定の締結(あり/なし)30/7(計37)空欄が多いので、ここだけで対象外にしない
許可番号の頭文字が「地」16鳥取県の3件より多い
許可・届出が2020年以降36新しい地域づくり系の行が目立つ
会社名の重複を除いた会社数118社124件に対して重複は6行

島根県の派遣で目立つのは、特定地域づくり事業の「地」が16件あることです。鳥取県は3件だったので、同じ中国地方でも構成が違います。マージン率は44件に載っていましたが、中央値は24.9%で、鳥取県の27.1%より低めでした。一方で、公表率で見ると鳥取県は34/67、島根県は44/124です。数字が入っている会社だけを営業先にすると、島根県ではかなり多くの事業所を落とします。

会社名の重複は、島根県の派遣では6行だけでした。株式会社ワークスタッフが3行、株式会社パソナ、テンプスタッフフォーラム株式会社、株式会社さんびる、株式会社アミーゴ島根が各2行です。鳥取県でも67件が64社に減る程度で、どちらの県も支店の重複は一部にとどまります。島根県は、支店の重複よりも地域ごとの単独事業所が多い名簿でした。

島根県の紹介112事業所:有料は63件。就職者数1人以上は32件

項目島根県で載っていた数
電話番号112/112
許可番号の内訳ユ63、ム16、特5、地28
有料紹介のうち就職者数が1人以上32/63
有料紹介のうち就職者数が014/63
有料紹介のうち数字の記載なし(「-」)17/63
会社名の重複を除いた会社数86社

紹介は、鳥取県が有料72件のうち就職者数1人以上29件だったのに対し、島根県は有料63件のうち32件でした。件数だけなら鳥取県のほうが有料紹介は多いのに、実績ありの行は島根県のほうが少し多くなります。ここは営業先選びで大きいところです。単純に「有料紹介の件数が多い県」を選ぶより、就職者数が入っている行を見たほうが、営業の初動リストは締まります。

島根県でも、同じ会社の別支店に同じ就職者数が並ぶ例がありました。テンプスタッフフォーラム株式会社は2行とも273、株式会社パソナは3行とも8,687です。公益社団法人島根県シルバー人材センター連合会は10行すべて0でした。鳥取県と同じで、支店行をそのまま足し算すると、会社全体の数字を何度も数えるおそれがあります。県をまたいで比べるときほど、事業所数と会社数を分けて見る必要があります。

営業の目的別に、どちらを狙うか

営業の目的に合わせてリストを選び分けているイラスト
  • 派遣社員向けのサービスを売りたい → 派遣。マージン率と労使協定の列で、会社の姿勢が見える
  • 求職者の紹介を受ける側に売りたい(採用管理・成果管理など) → 有料紹介。まず就職者数が1人以上の29件から
  • 両方に売れる商材(勤怠・請求・保険など) → 派遣と紹介の両方を持つ会社が候補になる。会社名で突き合わせて、重複を除く
  • 新しく事業を始めた会社に先に当たりたい → 許可年月日の新しい順に並べる。鳥取県の派遣は許可・届出が2020年以降の事業所が9件

派遣と紹介のどちらに売り込めるかは、売る商材によります。この実測で言えるのは、名簿の項目が違うので、絞り込みの軸も違うという点までです。

リストの作り方と、ツールの使い分け

営業リストを作る流れを整理しているイラスト
方法向いている場面手間
手作業でコピー鳥取県のような少ない件数。派遣67件・紹介114件でも、1ページ20件の表を転記する作業が10ページ分1件2分とすると、181件で約6時間
収集ツール東京都(派遣12,534・紹介12,067)や全国都道府県を選んで検索し、開始するだけ
リストを購入人材サービス業という括りでよいときマージン率や就職者数が付いたリストは市販品で見つけられなかった
  • U社:業種別の電話帳が中心。厚労省の公表サイトには対応していない
  • K社:企業データベース型。法人情報は取れるが、マージン率・就職者数・支店ごとの行はない
  • IZANAMI:派遣・紹介の両方の検索に対応。許可番号、マージン率、就職者数などを列に出す。Windowsのパソコンで動かすため、パソコンを起動している間しか収集できない

この名簿の弱点と対策

名簿に足りない項目を確認して補っているイラスト

弱点1:メール・FAX・代表者名・ホームページがない

派遣・紹介のどちらも、連絡先は住所と電話番号だけです。ホームページはデータ補完で足します。代表者名は法人情報データベースなどで会社名から引きます。

弱点2:鳥取県・島根県の数字は、全国の傾向とは限らない

この記事では鳥取県と島根県を全件数えましたが、2県だけで全国の傾向とは言えません。東京都のように大手の支店が多い県では、マージン率の公表率や有料紹介の就職者数の分布は変わります。自社が狙う県で、先に1ページ分を数えてから判断してください。

弱点3:更新は月1回

サイトには「情報は原則月1回更新されます」とあります。新規許可の事業所が載るまで時差があります。差分収集を月1回回せば、新しく載った会社だけを拾えます。

よくある質問

Q1. 派遣会社と人材紹介会社は、どちらが営業しやすいですか?

名簿の項目が違うため、一概には言えません。派遣はマージン率と派遣料金、紹介は許可の種類と就職者数で絞れます。鳥取県の実測では、派遣は67件すべてに電話番号があり、有料紹介72件のうち就職者数が1人以上なのは29件でした。

Q2. 有料と無料の人材紹介はどう見分けますか?

許可番号の種別で見分けます。「ユ」が有料、「ム」が無料です。鳥取県では114件のうち有料72、無料15でした。ほかに「特」が7件、「地」が20件あります。

Q3. マージン率は全社が公表していますか?

していません。鳥取県の派遣67件のうち、マージン率が載っていたのは34件でした。

Q4. 就職者数を合計して、地域の規模を出せますか?

支店ごとの数字を足すと二重に数えるおそれがあります。パソナ(鳥取・米子)のように、同じ数字が支店の行に並ぶ例があったためです。会社名で重複を除いてから集計してください。

Q5. メールアドレスは取れますか?

この名簿には項目がありません。ホームページをデータ補完で探し、そこからメールアドレスやお問い合わせフォームを探します。

まとめ

派遣会社と人材紹介会社は、同じ厚労省の名簿に載っていても、数字の読み方が違います。鳥取県の181事業所では、派遣はマージン率の公表が半数(34/67)、有料紹介は就職者数が1人以上の事業所が4割(29/72)でした。営業先を選ぶ前に、自社の商材がどちらの実績を必要とするかを決めてください。

IZANAMI は2日間の無料トライアルがあり、インストールのサポートも付きます。狙う都道府県で何件取れるか、料金プランと合わせて確かめてから決められます。

本記事の実測値は2026年10月12日時点のものです。鳥取県の労働者派遣事業所一覧67件(4ページ)・職業紹介事業所一覧114件(6ページ)と、島根県の労働者派遣事業所一覧124件(7ページ)・職業紹介事業所一覧112件(6ページ)を、人材サービス総合サイト(厚生労働省)の一覧画面で全件確認しました(サイトの表示は令和8年10月1日現在)。全国・東京都の件数は2026年9月16日の検索表示によります。掲載内容は厚生労働省と各事業所が更新するため、件数・項目は変動します。

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