社長がトップ営業マンの会社は、なぜ営業部門の生産性が上がらないのか

「うちの会社で一番売れるのは、結局わたしなんですよ」

中小企業の社長とお話しすると、こんなセリフをよく聞きます。そして大抵、苦笑いがセットです。

誰よりも商品に詳しく、その場で価格も決められる。社長が営業すれば、そりゃ成約率は高い。でも、ふと立ち止まって考えてみてください。社長がトップ営業マンであり続ける限り、会社の売上には”天井”があります。 あなたの1日は24時間。体はひとつ。社長の稼働時間=会社の営業キャパシティになっている状態は、実はかなり危うい構造です。

この記事では、中小企業の営業部門の生産性が伸び悩む「本当の原因」と、社長が現場を離れても売上が落ちない仕組みのつくり方を考えていきます。


営業部門の生産性が上がらない原因は「社長依存」にある

株式会社給与アップ研究所の中小企業における営業生産性の実態と向上策に関する調査によると、自社の営業生産性が高いと感じている中小企業の経営者はわずか14%しかいません。

しかも「優秀な営業社員を採用できていない」が課題の上位に来ています。つまり多くの中小企業では、そもそも営業を任せられる人がいないのが現実です。

その結果、何が起こるかというと——

  • 社長が商談・見積もり・アフターフォローまで全部やる
  • 経営戦略や新規事業を考える時間がなくなる
  • 社長が倒れたら、売上が一気に止まる

「営業部門の生産性を上げよう」と言われても、SFAやCRMの導入記事を読んでみたところで、うちには営業部がないんだけど……という社長は少なくないはずです。

大企業向けの「営業DX」の話ではなく、もっと手前の、「社長の時間をどう空けるか」。ここが中小企業の生産性向上の本丸です。


社長の営業時間を分解すると「ムダ」が見えてくる

社長が営業に費やしている時間を、試しに1週間だけ記録してみてください。おそらく、こんな内訳になるはずです。

  • アプローチ先を探す・リストをつくる:全体の30〜40%
  • 資料作成・見積もり作成:20%前後
  • 実際の商談・提案:20〜25%
  • 移動時間:10〜15%
  • 事務処理・日報など:5〜10%

気づきましたか? 社長が本来やるべき「商談・提案」は、営業時間全体の4分の1程度しかありません。残りの75%は、言ってしまえば「商談の準備作業」です。

ここに生産性向上のヒントがあります。社長がやるべきは「売る」こと。それ以外の準備作業を、いかに仕組みで回すかが勝負です。


営業部門の生産性を上げる「仕組み化」3つのポイント

営業マンを新たに一人雇えば、年間400万円以上のコストがかかります。しかも「雇えば売れる」保証はどこにもありません。

だからこそ、まずは人を増やす前に、仕組みで解決できる部分を片づけるのが現実的です。

① アプローチ先のリスト作成を自動化する

営業で最も時間を食うのが「どこに連絡するか」を決める作業です。ネットで企業を探し、電話番号やメールアドレスを調べ、Excelに転記する。1件あたり数分でも、100件集めれば半日が飛びます。

ここは最も自動化しやすい領域です。営業リスト自動作成ツールを使えば、業種やエリアを指定するだけでターゲット企業の連絡先を一括で取得できます。社長が手作業でやっていた「リスト作成」の時間が丸ごと浮くわけです。

② 「使い古したリスト」を捨てる

何度もアプローチした企業リストをいつまでも使い回していませんか? 移転済みの会社に電話をかけ、廃業した店舗にメールを送る。これほど非生産的な営業活動はありません。

大切なのはリストの鮮度です。新しく開業した企業や、最近求人を出し始めた会社は、まだ競合からのアプローチが少ない。つまり、話を聞いてもらえる確率が段違いに高いんです。

差分モードのように、新着の企業情報だけを自動で抽出できる仕組みを持っておくと、常に鮮度の高いリストが手元にある状態をつくれます。これだけでテレアポの空振りはかなり減るはずです。

③ 「営業お断り」のスクリーニングを事前にかける

「営業のお電話はお断りしております」——この一言で心が折れた経験、ありますよね。

こうした企業に時間を使うのは、社長にとっても相手にとっても不幸です。事前に営業お断りを表明している企業を除外しておけば、無駄打ちが減り、精神的な消耗も軽くなります。


「社長が売る」から「仕組みが連れてくる」への移行ステップ

いきなり社長が営業の現場から完全に離れる必要はありません。大事なのは、段階的に「社長でなくてもできる業務」を切り離していくことです。

ステップ1:まずリスト作成を手放す

営業プロセスの中で、最も属人性が低く、最も自動化しやすいのがリスト作成です。業種・エリアで絞り込んだリストを自動で生成し、不足しているメールアドレスや電話番号も補完する。ここまでを仕組みに任せるだけで、社長の週に数時間は確実に空きます。

ステップ2:初回アプローチを型化する

リストができたら、初回のメールやフォーム送信はテンプレート化して、社長でなくてもできるようにします。社長の出番は「返信が来た見込み客との商談」からで十分です。

ステップ3:浮いた時間を”経営の仕事”に使う

リスト作成と初回アプローチから解放された社長がやるべきは、新規事業の検討、既存顧客との関係深化、そして採用——つまり「会社の未来をつくる仕事」です。ここにこそ社長の時間を投下すべきで、これが本当の意味での営業部門の生産性向上につながります。


まとめ

営業部門の生産性を上げようとすると、つい「営業マンのスキルアップ」や「SFA導入」といった大掛かりな施策に目が行きがちです。でも、従業員30名以下の中小企業にとって、最初に見直すべきはもっとシンプルな話——社長の営業時間の中身を分解して、仕組みに置き換えられる部分から手放していくことです。

社長がトップ営業マンであること自体は、決して悪いことではありません。ただ、その状態が5年、10年と続くなら、会社の成長はどこかで頭打ちになります。

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