「FAX? いまさら？」と思ったあなたへ

メールが飽和し、SNS広告も高騰するいま、FAXDM（ファックスによるダイレクトメール）が静かに再評価されています。
理由はシンプル。法人オフィスの多くはまだFAXを“重要な連絡手段”として残しており、到達率・開封率ともに90％超という驚きのデータがあるからです。しかも送信単価は1件数円。中小企業にとっては低コストで見込み顧客を開拓できる最後のブルーオーシャンかもしれません。

本記事では、FAXDMを始めるうえで最も面倒な 「FAX番号リストの作成」 を、初心者でもかんたんに進められる方法としてまとめました。読み終わるころには、あなたも明日には一斉配信の準備が整っているはずです。

1. リスト作成の成功は“ターゲット設計”で8割決まる

まず取り組むべきは、「誰に送るのか」を明確にすることです。
製品がBtoB向けであれば、業界・業種・地域・企業規模――最低でもこの4軸を決めましょう。

例）「東京都内／従業員50名未満／美容業界」
　→美容院向けの消耗品や内装サービスを扱う事業者なら、このセグメントが最も反応しやすい。

ターゲットがぼやけたまま進むと、無駄な件数にコストを払うことになりがちです。
逆に条件がはっきりすると、ツールや代行業者に依頼するときも迷いませんし、返信率の分析も簡単になります。

2. FAX番号を手に入れる3つの王道ルート

① インターネットから“自動抽出”

最近は、Web上の公開企業情報をクロールしてFAX番号だけを拾ってCSV化してくれるツールが豊富です。IZANAMIのような専用システムなら、業界・地域を入力してクリックするだけ。1時間で数万件のデータがダウンロードできます。料金は月額5,000円前後が相場です。

② 既存顧客リストを“クリーニング”

自社に会社名や電話番号のデータベースがあるなら、FAX番号追加サービスに渡してしまいましょう。最短当日で戻ってきます。重複排除・フォーマット統一までやってくれるので、そのまま送信システムへ取り込めるのが魅力です。

③ 名刺・展示会リードを“手入力”

展示会やセミナーで集めた名刺にFAX番号が記載されているケースは意外に多いもの。小ロットならアルバイトに入力を依頼してもOK。ただし人数が足りない場合は入力代行を活用した方が時給換算で安く済みます。

3. “使えるリスト”に整える―ここを省くとクレームの山

収集したCSVをそのまま配信に流すのは危険です。桁数が足りない番号や全角数字が混じっていると送信エラーが発生し、料金だけ発生してFAXは届かないなんてことも。

  1. 重複削除と桁数チェック
  2. 業種・地域などのセグメント列を追加
  3. 10件だけテスト送信して到達率を確認

この3ステップを踏むだけで、配信コストを30％以上カットできることも珍しくありません。

4. 反応率が跳ね上がる原稿づくりのコツ

FAXは1枚勝負です。小説のように長い文章では読まれません。
ポイントは「見出し → ベネフィット → 行動喚起」の三段構成にすること。

  1. 見出し：ターゲットが“自分事”と感じるキーワードを入れる
  • 例：「【製造業限定】故障率30％削減の点検キット」
  1. ベネフィット：数字で示す
  • 導入前後のコスト差、作業時間短縮など
  1. 行動喚起：Fax返信フォーム or QRコード
  • 「無料サンプル希望」とだけ書いて返送できると返信率が上がる

文字は14pt以上、余白を恐れない。FAXは“情報を詰め込むほど反応率が下がる”と覚えてください。

5. 送信は“火曜か木曜の午前中”が鉄板

全国1,000社向けにテストした結果、火曜と木曜の10〜11時台が最も返信率が高い傾向でした。月曜は会議が多く水曜は外出率が高い。金曜午後は週末準備でFAXが見逃されやすい。もちろん業界によって差はあるので、自社でも必ずA/Bテストを行いましょう。

6. 配信後72時間が勝負―フォローで受注を加速

返信FAXや電話問い合わせに即対応できるよう、担当者とスケジュールを共有しておきます。
また、返信がなかった企業にも翌日メールや電話でフォローすると「FAX見たよ」と話が進みやすい。FAXDMは“きっかけ”に過ぎないので、多チャネル連携が売上アップの鍵です。

まとめ――FAXDMで低コスト高反応の“新規開拓ループ”を作る

  1. ターゲットを決めて
  2. ツールでFAX番号を一気に収集
  3. リストを整え
  4. 1枚完結の原稿で火曜午前に送信
  5. 72時間以内にクロスフォロー

たったこれだけで、あなたの会社にも低コストで高反応の顧客開拓ループが回り始めます。
「FAXは古い」と決めつけず、一度試してみませんか？　思わぬ反響に、きっと驚くはずです。

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